糖化はとっても身近な化学反応

糖化は「糖」と「たんぱく質」が結びついて起こります。と言われても、多くの方々はそのイメージをつかめないかも知れません。しかし糖化はとても身近なものなのです。美味しそうに、食欲をそそる風味のある食品にはクッキー、ホットケーキ、うなぎの蒲焼、北京ダックなどがあります。これらの食品はすべて糖化を利用した調理法で作られています。例えば、北京ダックは、アヒルの肉(たんぱく質)に、砂糖や水飴などを含むタレ(糖分)をつけて、じっくりと時間をかけて加熱調理したものです。前述の美味しそうに、食欲をそそる風味のある食品はどれもキツネ色に仕上げられています。同様に味噌、醤油なども茶色く、風味豊かな、旨みをもった食品です。味噌や醤油が作られる過程で加熱調理は行われませんが、何年も時間をかけてゆっくり色づいていきます。これらの食品は材料に糖とたんぱく質やアミノ酸が豊富に含まれており、糖化という化学反応によって美味しそうな見た目や風味が生まれるのです。糖化を化学的に説明すると、「物質に含まれているアミノ酸やたんぱく質が糖類と反応して、茶色の物質ができる化学反応」と言うことなのです。食品の糖化は、私たちの食生活を豊かにする調理法として素晴らしい効果をもっています。しかし、体の中で起こる糖化は老化を進める原因になってしまうという皮肉な反応なのです。